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Angular

AngularはGoogleが開発しているフロントエンドフレームワークです。2010年にMisko Heveryさんが個人プロジェクトとして始めたAngularJS(1.x系)が原型で、2016年にAngular 2として全面書き直されました。TypeScriptベース・大規模アプリケーション向け・「フルスタック」志向という特徴を持ち、エンタープライズ系の現場で広く採用されています。

名前の由来

「Angular」という名前は、HTMLの山括弧(< > — 「angle brackets」)に由来します。HTMLの拡張機能としてフレームワークが動作するという初期の発想を、構文要素そのものの名前に重ねた命名です。

2010年: AngularJS の誕生

2010年、GoogleのエンジニアだったMisko Heveryさんが、社内プロジェクト「GetAngular」として双方向データバインディング(two-way data binding)を中心に据えた小さなフレームワークを書き始めました。社内で評判になり、Adam Abrons さんと共同でオープンソース化されたのがAngularJS(バージョン1.x系)です。

AngularJSの最大の特徴は双方向データバインディングでした。$scope というオブジェクトを介して、HTMLの入力値とJavaScriptの変数が自動的に同期する仕組みです。それまでjQueryで書かれていた手作業のDOM操作が大幅に削減され、SPA(Single Page Application — JavaScriptで画面を切り替えるアプリ)開発の代表的な手段となりました。

2016年: Angular 2 への大改修

2016年9月、Angular 2が正式リリースされました。AngularJSとは互換性のない完全な書き直しで、設計の根本から見直されています。

項目AngularJS(1.x)Angular(2以降)
言語JavaScriptTypeScript
構成単位Controller / DirectiveComponent
データバインディング双方向($scope単方向ベース + 必要時に双方向
変更検知ダイジェストサイクルZone.js(後にSignals)
モジュールシステムAngularモジュールNgModule(v17でstandalone化)

互換性を捨ててでも構造を刷新した英断でしたが、移行コストの大きさからAngularJS時代のユーザーの一部はReactやVueに流れていきました。それでもエンタープライズ系の現場ではAngular 2以降が「フルスタック型フレームワーク」として広く採用されています。

現代における Angular の位置

Angularは2016年から半年〜1年に1回のメジャーバージョンアップを続けており、2017年のAngular 4から始まって、2025年にはAngular 19が登場しています。Angular 14以降のスタンドアロンコンポーネント、Angular 17以降のSignals(リアクティブ状態管理)、新しいビルドシステム(Vite + esbuild)への移行など、現代的な開発体験への刷新が続いています。

採用事例としてはGoogle社内の各種ツール(Google Cloud Console・Firebase Console・Google Adsの一部UI)・Microsoft Office Online・Forbes・Deutsche Bank・Upwork・PayPal・Wikiwandなどがあります。「フォームが多い・大規模・チーム開発」という業務系アプリで採用されることが多く、ReactやVueと比べると「構成が決まっている分、迷いにくい」という性格を持っています。

関連辞典

Angularのコンポーネント・テンプレート構文・サービス・DI・ルーティング・実用パターンはAngular辞典で詳しく解説しています。