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ABS / MOD / POWER

数値演算を行う基本的な関数です。絶対値・剰余・べき乗・平方根・符号など、集計以外の数値処理に使われます。

構文
-- ABS: 絶対値を返します。
ABS(数値)

-- MOD: 剰余(余り)を返します。
MOD(数値, 除数)
数値 % 除数   -- 演算子での記述

-- POWER: べき乗を返します。
POWER(底, 指数)
POW(底, 指数)   -- MySQLでの別名

-- SQRT: 平方根を返します。
SQRT(数値)

-- SIGN: 数値の符号を返します(正:1, 零:0, 負:-1)。
SIGN(数値)
構文一覧
関数・演算子概要
ABS(n)nの絶対値を返します。負の数を正にします。
MOD(n, m) / n % mnをmで割った余りを返します。
POWER(n, e) / POW(n, e)nのe乗を返します。
SQRT(n)nの正の平方根を返します。nが負の場合はNULLまたはエラーになります。
SIGN(n)nが正なら1、0なら0、負なら-1を返します。
サンプルコード
-- 売上目標との差額を絶対値で比較します。
SELECT
    店舗名,
    売上金額,
    目標金額,
    売上金額 - 目標金額 AS 差額,
    ABS(売上金額 - 目標金額) AS 差額_絶対値,
    SIGN(売上金額 - 目標金額) AS 達成状況  -- 1:超過 0:ちょうど -1:未達
FROM 店舗売上;

-- 注文IDの奇数・偶数で処理を分けます(MOD)。
SELECT
    注文ID,
    顧客名,
    CASE MOD(注文ID, 2)
        WHEN 0 THEN '偶数ID'
        ELSE '奇数ID'
    END AS ID分類
FROM 注文;

-- 複利計算で5年後の積立金額を求めます(POWER)。
SELECT
    顧客名,
    積立元本,
    ROUND(積立元本 * POWER(1.03, 5), 0) AS 5年後_3%複利
FROM 積立プラン;

-- 注文件数の平方根を計算します(SQRT)。
SELECT
    カテゴリ名,
    COUNT(*) AS 注文件数,
    ROUND(SQRT(COUNT(*)), 2) AS 件数の平方根
FROM 注文
GROUP BY カテゴリ名;
実行結果
-- 売上と目標の比較。
店舗名      | 売上金額  | 目標金額  | 差額      | 差額_絶対値 | 達成状況
------------+-----------+-----------+-----------+-------------+---------
秋葉原店    | 3200000   | 3000000   | 200000    | 200000      | 1
新宿店      | 2600000   | 2800000   | -200000   | 200000      | -1
なんば店    | 2850000   | 2850000   | 0         | 0           | 0

-- 5年後の積立金額(元本100万円・3%複利)。
顧客名     | 積立元本  | 5年後_3%複利
-----------+-----------+-------------
山田 太郎  | 1000000   | 1159274
鈴木 花子  | 2000000   | 2318548
データベース別の書き方

『ABS』『POWER』『SQRT』『SIGN』は MySQL・PostgreSQL・Oracle・SQL Server・SQLite で共通して使用できます。

-- 全データベース共通の構文です。
SELECT ABS(売上金額 - 目標金額) AS 差額_絶対値 FROM 店舗売上;
SELECT POWER(1.03, 5) AS 複利係数;

『MOD』関数は MySQL・PostgreSQL・Oracle で使用できます。SQL Server では『MOD』関数がないため、『%』演算子を使います。

-- MySQL・PostgreSQL・Oracle: MOD 関数が使えます。
SELECT MOD(注文ID, 2) AS 余り FROM 注文;

-- SQL Server: % 演算子を使います。
SELECT 注文ID % 2 AS 余り FROM 注文;

MySQL の別名『POW』は MySQL 独自です。PostgreSQL・Oracle・SQL Server では『POWER』を使ってください。

概要

『MOD』はゼロ除算を行うとNULLを返す(MySQLなど)か、エラーになる(DBMSによる)ため注意してください。偶数・奇数の判定や周期的な処理のグループ分けによく使われます。

『SIGN』はCASE式の代わりに正・零・負の3値を数値で返すため、集計と組み合わせて「目標達成店舗の件数」などを COUNT(CASE WHEN ... END) より簡潔に書ける場面があります。

『SQRT』に負の数を渡すとMySQLはNULLを返し、SQL ServerはエラーになるなどDBMSで挙動が異なります。数値の丸め処理は『ROUND / CEIL / FLOOR』を参照してください。

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