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コメント(// と /* */ と /** */)

『Spring』は Java で書くフレームワークのため、コメントの記法は Java と同じです。一行コメント(『//』)・ブロックコメント(『/* */』)・Javadoc コメント(『/** */』)が使えます。Spring のアノテーション(@Controller@Service@Component など)は Java のコメントとは別の仕組みですが、アノテーションが付いたクラス・メソッドに Javadoc コメントを組み合わせて書くのが一般的なスタイルです。

構文

// 一行コメント — // から行末までがコメントになります。
int count = 0; // 行末コメント — コードの後にも書けます。

/*
  ブロックコメント — /* から */ までの範囲がコメントになります。
  複数行にわたる説明を書くときに使います。
*/

/**
 * Javadoc コメント — /** で始めるブロックコメントです。
 * クラス・メソッド・フィールドの直前に書き、型情報や説明を記述します。
 * {@code javadoc} コマンドで HTML ドキュメントを生成できます。
 *
 * @param value 引数の説明(Javadoc では - を付けない慣習です)
 * @return 戻り値の説明
 * @throws IllegalArgumentException 不正な引数が渡された場合
 */

コメントの種類

種類書き方概要
一行コメント// テキスト『//』から行末までがコメントになります。コードの右側に補足を添えるときにも使います。
ブロックコメント/* テキスト */複数行にまたがるコメントを書くときに使います。Javadoc にしない内部的なメモや一時的な説明に使われます。
Javadoc コメント/** テキスト */『/**』で始まる特殊なブロックコメントです。javadoc コマンドで HTML ドキュメントを生成できます。IDE がホバー表示でドキュメントを表示します。

Javadoc の主なタグ

Javadoc コメントでは、『@』で始まるタグを使って型情報や説明を記述します。Spring Boot プロジェクトでは、@RestController@Service@Repository などのクラスや、公開メソッドに Javadoc を書くのが一般的です。IntelliJ IDEA・Eclipse・VS Code(Spring Boot Extension)がホバー表示でドキュメントを提示します。

タグ書き方の例概要
@param@param userId ユーザーの IDメソッドの引数の説明を記述します。Java では型は型宣言側に書くため Javadoc に型を書きません。
@return@return ユーザーオブジェクトメソッドの戻り値の説明を記述します。void メソッドには書きません。
@throws@throws UserNotFoundException ユーザーが存在しない場合スローされる可能性のある例外とその条件を記述します。
@see@see UserRepository#findById関連するクラス・メソッドへの参照を記述します。IDE がリンクとして表示します。
@since@since 2.0その API が追加されたバージョンを記述します。
@deprecated@deprecated v3.0 以降は {@link #findUser(Long)} を使用してください。非推奨であることを宣言します。コンパイラが警告を表示します。Java のアノテーション @Deprecated と組み合わせて使います。
{@code ...}{@code List<User>}コード断片をインラインで記述します。HTML エスケープが不要になります。
{@link ...}{@link UserService#getUser}別のクラスやメソッドへのリンクをインラインで記述します。
{@inheritDoc}{@inheritDoc}親クラス・インターフェースの Javadoc を継承します。オーバーライドメソッドで追記がない場合に使います。

Spring 固有のコメント慣習

Spring プロジェクトで見られる特有のコメントパターンがあります。

場面コメントの内容
@SuppressWarnings を使う場合なぜ警告を抑制しているかの理由を // コメントで添えます。特に @SuppressWarnings("unchecked") のキャスト理由を残しておくと、後からのレビューで意図が伝わります。
設定クラス(@Configuration)クラスの Javadoc にどのような Bean を登録しているかの概要を書きます。複数の Bean を1つの設定クラスにまとめている場合に特に有用です。
REST API エンドポイントメソッドの Javadoc に HTTP メソッド・パス・リクエスト/レスポンスの形式を補足します。OpenAPI(Swagger)アノテーションと組み合わせることもあります。
// @SuppressWarnings と理由コメントの例。
@SuppressWarnings("unchecked")
// Spring の ApplicationContext から取得するため、型安全でないキャストが避けられません。
List<User> users = (List<User>) context.getBean("userList");

コメントを書くべき場所・書かなくてよい場所

判断場面理由
書くべき「なぜこう実装したか」の理由コードを読むだけではわからない設計意図やトレードオフを残しておくと、将来の自分や他の開発者が助かります。
書くべき複雑なアルゴリズムや計算式何をしているか一見でわかりにくい処理には、動作の概要を補足します。
書くべき公開 API となるメソッド(@RestController, @Service)引数・戻り値・例外を Javadoc で明示しておくと、呼び出し側がソースを参照しなくても使えます。
書くべきデバッグ中の一時的な無効化コメントアウトした理由や期限を残しておくと、後で削除し忘れるリスクが減ります。
書かなくてよいコードを読めば明らかな処理自明な説明はノイズになります。変数名・メソッド名をわかりやすくすれば不要になります。
書かなくてよい変更履歴・削除したコードバージョン管理(git)があるため、コメントに古いコードや変更日を残す必要はありません。

サンプルコード

Service クラスと Javadoc

UserService.java
package com.example.demo.service;

import com.example.demo.entity.User;
import com.example.demo.repository.UserRepository;
import org.springframework.stereotype.Service;

/**
 * ユーザー情報を管理するサービスクラスです。
 *
 * <p>ユーザーの取得・作成・削除操作を提供します。
 * データアクセスは {@link UserRepository} を通じて行います。</p>
 *
 * @since 1.0
 */
@Service
public class UserService {

    private final UserRepository userRepository;

    // コンストラクタインジェクションを使います。
    // フィールドインジェクション(@Autowired on field)は
    // テスト時にモックを差し込みにくいため使いません(コードレビューの方針)。
    public UserService(UserRepository userRepository) {
        this.userRepository = userRepository;
    }

    /**
     * 指定した ID のユーザーを取得します。
     *
     * @param id ユーザーの一意識別子
     * @return 取得したユーザーオブジェクト
     * @throws com.example.demo.exception.UserNotFoundException ユーザーが存在しない場合
     */
    public User getUser(Long id) {
        return userRepository.findById(id)
                .orElseThrow(() -> new RuntimeException("User not found: " + id));
    }

    /**
     * 新しいユーザーを作成して保存します。
     *
     * @param name  ユーザー名(null・空文字は不可)
     * @param email メールアドレス(null・空文字は不可)
     * @return 保存されたユーザーオブジェクト(ID が自動採番されます)
     * @throws IllegalArgumentException name または email が空の場合
     */
    public User createUser(String name, String email) {
        if (name == null || name.isBlank()) {
            throw new IllegalArgumentException("name must not be blank");
        }
        if (email == null || email.isBlank()) {
            throw new IllegalArgumentException("email must not be blank");
        }

        /*
          User エンティティのコンストラクタでバリデーションを行う設計も考えられますが、
          バリデーションロジックをサービス層に集約する方針を採用しています(ADR-003 参照)。
        */
        User user = new User();
        user.setName(name);
        user.setEmail(email);

        return userRepository.save(user);
    }

    /**
     * 指定した ID のユーザーを削除します。
     *
     * @param id 削除するユーザーの ID
     * @deprecated v2.0 以降は {@link #deleteUser(Long)} を使用してください。
     * @see #deleteUser(Long)
     */
    @Deprecated
    public void removeUser(Long id) {
        deleteUser(id);
    }

    /**
     * 指定した ID のユーザーを削除します。
     *
     * @param id 削除するユーザーの ID
     */
    public void deleteUser(Long id) {
        // TODO: 削除前に関連データの整合性チェックを追加する(#112 参照)。
        userRepository.deleteById(id);
    }
}

RestController と Javadoc

UserController.java
package com.example.demo.controller;

import com.example.demo.entity.User;
import com.example.demo.service.UserService;
import org.springframework.http.ResponseEntity;
import org.springframework.web.bind.annotation.*;

/**
 * ユーザーリソースの REST API エンドポイントを提供するコントローラーです。
 *
 * <p>基本パス: {@code /api/users}</p>
 */
@RestController
@RequestMapping("/api/users")
public class UserController {

    private final UserService userService;

    public UserController(UserService userService) {
        this.userService = userService;
    }

    /**
     * GET /api/users/{id} — 指定した ID のユーザーを返します。
     *
     * @param id パスパラメーターから取得するユーザー ID
     * @return ユーザー情報を含む 200 OK レスポンス、存在しない場合は 404 Not Found
     */
    @GetMapping("/{id}")
    public ResponseEntity<User> getUser(@PathVariable Long id) {
        User user = userService.getUser(id);
        return ResponseEntity.ok(user);
    }

    /**
     * POST /api/users — 新しいユーザーを作成します。
     *
     * <p>リクエストボディに {@code name} と {@code email} が必要です。</p>
     *
     * @param name  作成するユーザー名
     * @param email 作成するメールアドレス
     * @return 作成されたユーザー情報を含む 201 Created レスポンス
     */
    @PostMapping
    public ResponseEntity<User> createUser(
            @RequestParam String name,
            @RequestParam String email) {
        // デバッグ中: リクエストパラメーターを確認する(本番では削除します)。
        // System.out.println("Creating user: name=" + name + ", email=" + email);
        User created = userService.createUser(name, email);
        return ResponseEntity.status(201).body(created);
    }
}

概要

Spring は Java で書くフレームワークのため、コメントの記法は Java と同じです。一行コメント(『//』)・ブロックコメント(『/* */』)・Javadoc コメント(『/** */』)を使います。Spring Boot プロジェクトでは、@RestController@Service@Repository などのクラスや公開メソッドに Javadoc コメントを書くのが一般的です。IntelliJ IDEA などの IDE がホバー表示でドキュメントを提示します。

@Deprecated アノテーションと Javadoc の『@deprecated』タグを組み合わせることで、コンパイラ警告とドキュメントの両方で非推奨を伝えられます。@SuppressWarnings を使う場合は、なぜ警告を抑制しているかの理由を必ずコメントに添えます。

コメントは「何をしているか」ではなく「なぜそうしているか」を書くと効果的です。コードを読めば明らかな処理を逐一コメントで説明するのはノイズになります。変更履歴や削除したコードをコメントとして残す必要もありません。それらはバージョン管理(git)で追跡できます。

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