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Rc<T> / Arc<T>
『Rc<T>』と『Arc<T>』は参照カウント方式のスマートポインタで、1つの値を複数の場所から所有できるようにします。『Rc』はシングルスレッド用、『Arc』はマルチスレッド対応版です。
構文
use std::rc::Rc; use std::sync::Arc; // Rc:シングルスレッドで複数の所有者を作ります。 let a = Rc::new(値); let b = Rc::clone(&a); // 参照カウントが増えます。 // Arc:マルチスレッドで複数の所有者を作ります。 let a = Arc::new(値); let b = Arc::clone(&a); // スレッドをまたいで共有できます。 // 参照カウントの確認 Rc::strong_count(&a) Arc::strong_count(&a)
メソッド一覧
| メソッド | 概要 |
|---|---|
| Rc::new(v) | 値vをRcでラップします。参照カウントは1になります。 |
| Rc::clone(&a) | 参照カウントを増やしながら新しいRcポインタを作ります。 |
| Rc::strong_count(&a) | 現在の強参照カウントを返します。 |
| Rc::weak_count(&a) | 現在の弱参照カウントを返します(Weak参照用)。 |
| Arc::new(v) | 値vをArcでラップします。スレッドをまたいで安全に共有できます。 |
| Arc::clone(&a) | 参照カウントをアトミックに増やしながら新しいArcポインタを作ります。 |
サンプルコード
use std::rc::Rc;
use std::sync::Arc;
use std::thread;
fn main() {
// Rc:シングルスレッドで複数所有します。
let rc_val = Rc::new(String::from("shared"));
let rc_a = Rc::clone(&rc_val);
let rc_b = Rc::clone(&rc_val);
println!("{}", rc_val); // shared
println!("{}", rc_a); // shared
println!("count: {}", Rc::strong_count(&rc_val)); // count: 3
drop(rc_a);
println!("after drop: {}", Rc::strong_count(&rc_val)); // after drop: 2
// Arc:スレッド間で共有します。
let arc_val = Arc::new(42);
let handles: Vec<_> = (0..3).map(|i| {
let val = Arc::clone(&arc_val);
thread::spawn(move || {
println!("thread {}: {}", i, val);
})
}).collect();
for h in handles {
h.join().unwrap();
}
}
実行結果
shared shared count: 3 after drop: 2 thread 0: 42 thread 1: 42 thread 2: 42
概要
Rustの所有権システムでは通常1つの値に所有者は1人だけですが、『Rc<T>』や『Arc<T>』を使うと複数の所有者を持つことができます。すべての参照がなくなったとき(カウントが0になったとき)にメモリが自動的に解放されます。
『Rc』はスレッド間で共有できません(『Send』トレイトを実装していないため)。スレッド間共有には必ず『Arc』を使用してください。
Rcを使った循環参照はメモリリークを引き起こします。循環参照を作る可能性がある場合は、片方を『Weak<T>』(弱参照)にしてカウントが循環しないようにする必要があります。
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