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Option::map() / and_then() / is_some()
『Option』を変換・チェーンするメソッド群です。取り出してから処理するのではなく、『Option』のまま変換をつなげることで、値の有無をチェックしながら簡潔に処理を記述できます。
構文
// Someのとき値をクロージャで変換し、Noneはそのまま伝播します。 let mapped = option.map(|x| x * 2); // Someのときにオプション値を返すクロージャを適用します(フラット化)。 let chained = option.and_then(|x| some_func(x)); // Noneのときに代替のOptionを返します。 let fallback = option.or(Some(42)); // Noneのときにクロージャで代替のOptionを生成します。 let fallback = option.or_else(|| Some(compute())); // Someかどうかを真偽値で返します。 let has_value = option.is_some(); // Noneかどうかを真偽値で返します。 let is_empty = option.is_none();
メソッド一覧
| メソッド | 概要 |
|---|---|
| map(fn) | 『Some(x)』のとき『fn(x)』の結果を『Some』で包んで返します。『None』はそのまま『None』になります。値の型変換に使います。 |
| and_then(fn) | 『Some(x)』のとき『fn(x)』を呼び出し、その戻り値(Option型)をそのまま返します。Optionを返す処理を連鎖させる際に使います。 |
| or(opt) | 『Some』ならそのまま、『None』なら引数の『opt』を返します。フォールバック値の提供に使います。 |
| or_else(fn) | 『None』のときだけクロージャを実行し、その結果を返します。 |
| is_some() | 値が『Some』なら『true』を返します。条件分岐の簡潔な記述に使います。 |
| is_none() | 値が『None』なら『true』を返します。 |
| filter(fn) | 『Some(x)』のとき条件クロージャが『false』を返したら『None』に変換します。 |
サンプルコード
fn parse_positive(s: &str) -> Option<u32> {
s.parse::<i32>().ok() // 文字列を整数に変換します。
.and_then(|n| if n > 0 { Some(n as u32) } else { None }) // 正の数だけ残します。
}
fn main() {
let some_val: Option<i32> = Some(5);
let none_val: Option<i32> = None;
// mapで値を変換します。
println!("{:?}", some_val.map(|x| x * 10)); // Some(50)
println!("{:?}", none_val.map(|x| x * 10)); // None
// and_thenでOption返し関数をチェーンします。
println!("{:?}", parse_positive("10")); // Some(10)
println!("{:?}", parse_positive("-5")); // None
println!("{:?}", parse_positive("abc")); // None
// orでNoneのときにフォールバックします。
println!("{:?}", none_val.or(Some(99))); // Some(99)
println!("{:?}", some_val.or(Some(99))); // Some(5)
// filterで条件を満たさないSomeをNoneに変換します。
println!("{:?}", some_val.filter(|&x| x > 3)); // Some(5)
println!("{:?}", some_val.filter(|&x| x > 10)); // None
// is_some / is_noneで真偽値を確認します。
println!("{}", some_val.is_some()); // true
println!("{}", none_val.is_none()); // true
}
概要
『map()』と『and_then()』の違いは戻り値にあります。クロージャが通常の値を返すなら『map()』を、『Option』を返すなら『and_then()』を使います。『and_then()』でクロージャの戻り値が『Option』でないとコンパイルエラーになります。
これらのメソッドを連鎖させることで、「値があれば変換 → 条件チェック → 変換」という処理を『match』を多重に書かずにパイプライン状に記述できます。Rustではこのスタイルを「コンビネータ」と呼び、関数型プログラミングの考え方を取り入れた記法です。
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