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PHP辞典

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【環境構築】PHPの開発環境

PHP の開発環境を構築する方法を解説します。PHP は Web アプリケーション開発に広く使われている言語で、ビルトインサーバーを使えば Apache などを別途インストールしなくてもすぐにブラウザで動作確認できます。

インストール方法の選択肢

PHP のインストール方法は OS ごとにいくつかの選択肢があります。まず以下のいずれかで PHP 本体をインストールします。

OS方法概要
macOSHomebrewbrew install php』で PHP 本体をインストールできます。当辞典ではこちらを中心に解説します。
Linuxapt / dnfUbuntu / Debian 系は『sudo apt install php』、Fedora / RHEL 系は『sudo dnf install php』です。
Windows公式 ZIPphp.net から ZIP をダウンロード、任意のフォルダに展開して PATH に追加します。コマンドラインで細かく管理できます。
WindowsXAMPPApache / MySQL / PHP / phpMyAdmin がひとまとめになった GUI インストーラです。学習用や最初の一歩として便利です。

macOS での環境構築(Homebrew)

Homebrew は macOS 用のパッケージマネージャです。インストールされていない場合は公式サイト(https://brew.sh/)の手順に従ってインストールしてください。

Homebrew インストール後、以下を実行します。

brew install php

インストール後、バージョンを確認します。

php --version
PHP 8.3.8 (cli) (built: ...)

PHP X.X.X (cli)』のようにバージョン情報が表示されれば、インストールは完了です。

Homebrew で入れた PHP は、環境に応じて『/opt/homebrew/bin/php』(Apple Silicon)または『/usr/local/bin/php』(Intel Mac)に配置されます。Homebrew が自動で PATH を通してくれるため、通常は追加設定は不要です。

Windows での環境構築(素の PHP)

Windows で PHP を使う場合、php.net からビルド済み ZIP をダウンロードし、任意のフォルダに展開して PATH を通すのが王道です。この方式の利点は、PHP 本体のみを置くだけで済み、不要な Apache / MySQL がシステムに入らないこと、バージョンの入れ替えが簡単なことです。

1. ZIP をダウンロードする

PHP for Windows のダウンロードページを開きます。ここには各 PHP バージョンごとに 4 種類のビルドが並んでいます。

ビルド選び方
VS16 / VS17 x64 Thread Safe (TS)Apache のモジュール版(mod_php)で使う場合に選びます。
VS16 / VS17 x64 Non Thread Safe (NTS)コマンドラインでの実行、ビルトインサーバー、IIS、FastCGI 用途に選びます。学習目的であればこちらが無難です。

『VS16』『VS17』は Microsoft Visual C++ のどのバージョンでビルドしたかを示します。新しい PHP ほど VS17 側になっていきます。迷った場合は最新 PHP の『x64 Non Thread Safe』を選んでください。

php.net ダウンロードページで VS17 x64 Non Thread Safe セクションに赤矢印

2. 展開する

ダウンロードした『php-8.x.x-nts-Win32-vs17-x64.zip』のような ZIP を右クリック → 『すべて展開』を選びます。展開先は『C:\php』のようにパスにスペースを含まない浅い階層がおすすめです。『C:\Program Files』のように空白を含むパスだと、一部ツールで問題が起きることがあります。

エクスプローラーで C:\php を開き、php.exe が見えている状態

※ 画像のアドレスバーが『BOOTCAMP (C:)』となっているのは、このスクリーンショットを Mac の Parallels 環境で撮影しており、ドライブ名が『BOOTCAMP』になっているためです。一般的な環境では『Local Disk (C:)』や『Windows (C:)』と表示されます。Windows 11 のエクスプローラーはアドレスバーがパンくず形式ですが、アドレスバーをクリック(または『Ctrl + L』)すると『C:\php』のようなテキスト形式のパスに切り替わります。

3. php.ini を作成する

展開したフォルダの中には『php.ini-development』『php.ini-production』の 2 つのテンプレートがあります。このうち『php.ini-development』を『php.ini』という名前でコピーします。学習中や動作確認ではエラー表示が多いほうが便利なので、開発用テンプレートから始めるのが定番です。

PowerShell で C:\php に移動して以下を実行すると、コピーが一発で完了します。

cd C:\php
Copy-Item php.ini-development php.ini

4. 環境変数 PATH に追加する

『スタートメニュー』の検索欄で『環境変数』と入力し『システム環境変数の編集』を開きます。『環境変数』ボタンをクリック、『ユーザー環境変数』または『システム環境変数』の『Path』を選んで『編集』→『新規』で C:\php を追加してください。

システム環境変数の Path 編集ダイアログで C:\php を追加した画面

追加したら PowerShell またはコマンドプロンプトを開き直してから、以下で確認します。

php --version
PHP 8.3.8 (cli) (built: ...)

バージョン情報が表示されればインストール完了です。

5. よく使う拡張を有効化する(任意)

Windows 版 PHP では、拡張機能(openssl / curl / mbstring / pdo_mysql など)はデフォルトで無効になっています。使いたい場合は C:\php\php.ini をテキストエディタで開き、該当行の行頭の『;』を削除して有効化します。

;extension=openssl      ←  変更前
extension=openssl       ←  変更後(先頭のセミコロンを削除)
extension=curl
extension=mbstring
extension=pdo_mysql

どの拡張が有効になっているかは以下で確認できます。

php -m

Windows での環境構築(XAMPP)

『XAMPP』は Apache / MySQL(MariaDB)/ PHP / phpMyAdmin などを一括でインストールできるパッケージです。個別設定なしで LAMP 的なスタックを作れるため、環境構築をスキップしてすぐ PHP を触りたい場合に向いています。

1. インストーラをダウンロードする

apachefriends.org の『Download』ページを開きます。『XAMPP for Windows』の項目には PHP のバージョンごとに複数のインストーラが並んでいるので、使いたいバージョンの『Download (64 bit)』ボタンをクリックしてください。特にこだわりがなければ一番上に並んでいる最新版で問題ありません。

apachefriends.org のダウンロードページで Windows 版の『Download (64 bit)』ボタンに赤矢印

2. インストーラを起動する

ダウンロードしたインストーラ(『xampp-windows-x64-8.x.x-installer.exe』のようなファイル)を実行します。起動直後にUAC(ユーザーアカウント制御)の確認ダイアログが表示されたら『はい』をクリックしてください。続けて『Setup - XAMPP』と書かれたセットアップウィザードが立ち上がるので、『Next』で次の画面へ進みます。

XAMPP セットアップウィザードの最初の画面(Welcome to the XAMPP Setup Wizard)

3. インストール内容を確認して進める

ウィザードを進めていくと『Select Components』(コンポーネントの選択)画面が表示されます。Apache と PHP はチェックが固定されていて外せませんが、その他の項目(MySQL、FileZilla、Mercury、Tomcat、Perl、phpMyAdmin など)は必要に応じて選べます。特にこだわりがなければ全てチェックされた状態のまま『Next』で進めてしまって問題ありません。

XAMPP セットアップの『Select Components』画面でインストール対象のコンポーネントが一覧表示されている

続くインストール先フォルダの指定では、C:\xampp のような浅い階層がおすすめです。スペースを含むパスはトラブルの元になります。あとはいくつかの案内画面を『Next』で進めていくと、実際のファイル展開が始まります。

4. インストール完了画面で Control Panel 起動にチェック

インストールが完了すると、最後に『Completing the XAMPP Setup Wizard』の画面が表示されます。『Do you want to start the Control Panel now?』にチェックを入れたまま『Finish』をクリックすると、続いて Control Panel のウィンドウが立ち上がります。

XAMPP セットアップウィザードの完了画面で『Do you want to start the Control Panel now?』にチェックが入った状態、『Finish』ボタンに赤い矢印

5. Control Panel でサービスを起動

『XAMPP Control Panel』のウィンドウには、インストールしたモジュール(Apache、MySQL、FileZilla、Mercury、Tomcat)の一覧がずらっと並びます。各行の『Start』ボタンで個別にサービスを起動できます。

XAMPP Control Panel のウィンドウで Apache、MySQL、FileZilla、Mercury、Tomcat の各モジュールに『Start』ボタンが並んでいる

※ Apache を初めて起動するときに、Windows Firewall の通知ダイアログが表示されます。『許可』(Allow)をクリックすると、ローカル環境でサーバーが動作できるようになります。XAMPP 固有の挙動ではなく、Windows で初めてサーバー系アプリを動かすときに共通で出るダイアログです。

Windows Firewall の通知ダイアログで Apache HTTP Server に対して『Allow』または『Cancel』を選ぶ画面

6. コマンドラインで PHP を使う

XAMPP の PHP は C:\xampp\php\php.exe にあります。PowerShell やコマンドプロンプトから直接呼び出したい場合は、環境変数 PATH に C:\xampp\php を追加してください(素の PHP と同じ手順です)。追加後、php --version で動作確認ができます。

ビルトインサーバーで動かす

PHP には Web サーバーが内蔵されています。Apache などを別途インストールしなくても、ブラウザで PHP の動作確認ができます。

まず、テキストエディタで以下の内容を『index.php』として保存します。

sample_index.php
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <meta charset="UTF-8">
  <title>PHPテスト</title>
</head>
<body>
  <h1>Hello, PHP!</h1>
  <p>現在の日時: <?php echo date('Y-m-d H:i:s'); ?></p>
  <?php
  $members = ['五条悟', '虎杖悠仁', '伏黒恵', '釘崎野薔薇'];
  echo '<ul>';
  foreach ($members as $member) {
      echo '<li>' . $member . '</li>';
  }
  echo '</ul>';
  ?>
</body>
</html>

ターミナル(macOS / Linux)または PowerShell / コマンドプロンプト(Windows)でファイルを保存したフォルダに移動し、以下のコマンドでビルトインサーバーを起動します。

php -S localhost:8000

ブラウザで http://localhost:8000 を開くと、PHP の実行結果が表示されます。サーバーを停止するには『Ctrl + C』を押します。

補足:-S』は単発の開発用サーバーです。本番運用には使わず、Apache / nginx + PHP-FPM の組み合わせを使ってください。

CLI(Command Line Interface — キーボードでコマンドを入力して操作する画面)で実行する

PHP ファイルはブラウザを使わず、ターミナル / PowerShell から直接実行することもできます。

テキストエディタで以下の内容を『hello.php』として保存します。

hello.php
<?php
echo "Hello, PHP!" . PHP_EOL;

$name = "五条悟";
echo "こんにちは、" . $name . "さん!" . PHP_EOL;

for ($i = 1; $i <= 5; $i++) {
    echo $i . "回目のループです" . PHP_EOL;
}

ターミナルで以下のコマンドを実行します。

php hello.php
Hello, PHP!
こんにちは、五条悟さん!
1回目のループです
2回目のループです
3回目のループです
4回目のループです
5回目のループです

ファイルの書き方やコメントの記述方法については『.phpファイルの作成と実行方法』を参照してください。

php.ini の確認

PHP の設定ファイル『php.ini』の場所は以下のコマンドで確認できます。エラー表示の設定などを変更したい場合に参照してください。

php --ini
Loaded Configuration File: /usr/local/etc/php/8.3/php.ini

開発中は『php.ini』に以下の設定を追記しておくと、エラーの原因を見つけやすくなります。

display_errors = On
error_reporting = E_ALL

変更を反映させるには、ビルトインサーバーや PHP-FPM を再起動する必要があります。

コマンドが見つからないとき

ターミナルで『php: command not found』と表示される場合は、『PATH』(パス)が通っていない可能性があります。以下の手順で確認・設定してください。

1. コマンドの場所を探します

php コマンドの場所を確認します。

which php

見つからない場合、よくあるインストール先を確認します。

ls /usr/local/bin/php
ls /opt/homebrew/bin/php
ls /Applications/XAMPP/bin/php

2. 使用しているシェルを確認します

echo $SHELL

/bin/zsh』と表示されたら『~/.zshrc』、『/bin/bash』と表示されたら『~/.bashrc』に設定を書きます。

3. PATH に追加します

コマンドの場所がわかったら、シェルの設定ファイルに PATH を追加します。

macOS (zsh) の場合:

echo 'export PATH="/opt/homebrew/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc

Linux (bash) の場合:

echo 'export PATH="/usr/local/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc

macOS で XAMPP を使っている場合は、パスを XAMPP のインストール先に合わせてください(例: /Applications/XAMPP/bin)。

Windows の場合は「システムの詳細設定」→「環境変数」→「Path」に PHP のインストール先フォルダ(例: C:\php または C:\xampp\php)を追加します。

PHP のアンインストール

macOS で Homebrew からインストールした PHP をアンインストールするには以下を実行します。

brew uninstall php

Windows で ZIP から手動インストールした場合は、展開したフォルダ(例: C:\php)を削除し、環境変数 PATH から対応するパスを削除します。

XAMPP を使っている場合は、『設定』→『アプリ』→『インストールされているアプリ』から『XAMPP』を選んで『アンインストール』してください。C:\xampp\htdocs の中身に残したいファイルがある場合は、事前にバックアップを取ってから削除することをおすすめします。

おすすめのテキストエディタ

PHP 開発に便利なテキストエディタを紹介します。どれも無料で使えます(秀丸エディタのみシェアウェア、PhpStormは有料)。

ツール特徴
VSCode現在最も人気のあるエディタです。PHP Intelephense 拡張機能をインストールすると、コード補完・定義ジャンプ・エラー検出など便利な機能が使えます。Windows / macOS / Linux 対応。正式名は『Visual Studio Code』。
Sublime Text軽量で動作が非常に速いエディタです。シンプルな画面でコーディングに集中できます。Windows / macOS / Linux 対応。
秀丸エディタ1993年リリース、日本で長年愛されている国産テキストエディタです。動作が軽快でマクロ機能も搭載。Windows 専用・買い切り型。
PhpStormJetBrains製のPHP専用IDE(Integrated Development Environment — コード編集・実行・デバッグを1つにまとめた開発ツール)です。高度なコード解析・リファクタリング・デバッグ・フレームワークサポートを備えています。有料。

最近では『VSCode』が最も広く使われているらしいのですが、管理人はシンプルかつ軽快に動くエディタが大好物なので現在は『Sublime Text』を愛用しております。良ければ参考にしてやってください。

それと秀丸エディタについて補足をさせてください。秀丸エディタの初リリースは1993年、動作が軽快で正規表現による強力な検索・置換機能を備えており、更に『マクロ』を使って自分好みの設定にすることが可能な本当に素敵なエディタです。最近ですと『マクロ』は『アドオン』なんかが該当しますが、なんと1990年代からすでにその機能を実装していたという遙か先の未来を見越したような設計で、そういった面でも大変すばらしいエディタです。

実は管理人もWindows3.1からWindows7頃までずっと秀丸エディタを使ってプログラミングをしていたクチで、長年大変お世話になっています。そして開発者の斉藤秀夫さんは未だに秀丸エディタのアップデートを続けており、例えばWindows11、その他64Bit板のWindowsでも問題なく起動させることができます。秀丸エディタはこちらから購入でき、買い切り型で価格も4000円程度、WindowsOSに入れておくと色々と捗るので買っておいて損はないかなと思います。

(´-`).。oO(管理人は昔からお世話になっている秀夫さんを応援したいので、個別にご紹介させて頂きました...)

(´-`).。oO(しかし30年以上使っているのに支払った金額はたった4000円前後...これほどコスパの良いものが他に存在するのかというレベルですね...)

記事の間違いや著作権の侵害等ございましたらお手数ですがまでご連絡頂ければ幸いです。