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Java辞典

record

イミュータブル(変更不可)なデータクラスを簡潔に定義する構文です(Java 16正式導入)。フィールド・コンストラクタ・ゲッター・equals() / hashCode() / toString() が自動生成されます。

構文
// recordの定義です。カッコ内のコンポーネントがフィールドになります。
record RecordName(型 フィールド名1, 型 フィールド名2) {
    // 追加のメソッドを定義することもできます。
}

// コンパクトコンストラクタ(引数リストを省略した記法)でバリデーションを行います。
record Point(int x, int y) {
    Point {
        if (x < 0 || y < 0) throw new IllegalArgumentException("座標は0以上にしてください。");
    }
}

// アクセサメソッドはコンポーネント名と同名(get不要)です。
Point p = new Point(3, 4);
int x = p.x(); // x() でxフィールドにアクセスします。
int y = p.y();

// recordはfinalクラスなので継承できません。インターフェースは実装できます。
record Range(int start, int end) implements Comparable<Range> {
    @Override
    public int compareTo(Range other) { return Integer.compare(start, other.start); }
}
自動生成される機能一覧
機能概要
コンストラクタすべてのコンポーネントを引数に取る標準コンストラクタが自動生成されます。
アクセサメソッド各コンポーネントと同名のゲッターが自動生成されます(getName() ではなく name())。
equals()すべてのコンポーネントが等しい場合に true を返します。
hashCode()すべてのコンポーネントを元にハッシュコードを生成します。
toString()RecordName[field1=value1, field2=value2] 形式の文字列を返します。
サンプルコード
// シンプルなrecordの定義と使用です。
record Point(int x, int y) {}

Point p1 = new Point(3, 4);
Point p2 = new Point(3, 4);

System.out.println(p1.x());          // 『3』と出力されます。
System.out.println(p1.y());          // 『4』と出力されます。
System.out.println(p1);              // 『Point[x=3, y=4]』と出力されます。
System.out.println(p1.equals(p2));   // 『true』と出力されます。

// バリデーション付きrecordを定義します。
record Person(String name, int age) {
    Person {
        if (name == null || name.isBlank()) throw new IllegalArgumentException("nameは空にできません。");
        if (age < 0) throw new IllegalArgumentException("ageは0以上にしてください。");
    }

    // 追加メソッドを定義します。
    String greeting() {
        return "こんにちは、" + name + "(" + age + "歳)です。";
    }
}

Person alice = new Person("Alice", 30);
System.out.println(alice.greeting()); // 『こんにちは、Alice(30歳)です。』と出力されます。

// インターフェースを実装します。
record Temperature(double celsius) {
    double toFahrenheit() { return celsius * 9 / 5 + 32; }
}

Temperature t = new Temperature(100.0);
System.out.println(t.toFahrenheit()); // 『212.0』と出力されます。
概要

recordはデータを保持するだけの「データクラス」を定義するための構文です。従来は多数の定型コード(コンストラクタ・ゲッター・equals() など)が必要でしたが、recordを使うことで1行で定義できます。

recordのフィールドはすべてイミュータブル(final)であり、一度生成したインスタンスの値を変更することはできません。recordは暗黙的に final クラスとなるため継承はできませんが、インターフェースの実装は可能です。

列挙型との使い分けについては『enum』を、クラスの基本定義については『class / new / コンストラクタ / this』を参照してください。

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