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sin() / cos() / tan() / asin() / acos() / atan2()
三角関数および逆三角関数です。『<math.h>』に定義されており、引数・戻り値の角度の単位はすべてラジアンです。コンパイル時に『-lm』リンクオプションが必要な場合があります。
構文
// 正弦(サイン)を返します。引数はラジアン。 double sin(double x); // 余弦(コサイン)を返します。引数はラジアン。 double cos(double x); // 正接(タンジェント)を返します。引数はラジアン。 double tan(double x); // 逆正弦(アークサイン)を返します。戻り値は [-π/2, π/2] のラジアン。 // 引数は [-1.0, 1.0] の範囲が必要です。 double asin(double x); // 逆余弦(アークコサイン)を返します。戻り値は [0, π] のラジアン。 // 引数は [-1.0, 1.0] の範囲が必要です。 double acos(double x); // y/x の逆正接(アークタンジェント)を返します。戻り値は [-π, π] のラジアン。 // x=0 の場合も正しく計算でき、象限を判定します。 double atan2(double y, double x);
関数一覧
| 関数 | 概要 | 引数の範囲 |
|---|---|---|
| sin() | 正弦(サイン)を返します。 | 制限なし(ラジアン) |
| cos() | 余弦(コサイン)を返します。 | 制限なし(ラジアン) |
| tan() | 正接(タンジェント)を返します。 | 制限なし(±π/2 付近で無限大) |
| asin() | 逆正弦(アークサイン)を返します。 | [-1.0, 1.0] |
| acos() | 逆余弦(アークコサイン)を返します。 | [-1.0, 1.0] |
| atan2() | 2引数の逆正接を返します。象限を正しく判定します。 | 制限なし(x=0 も可) |
サンプルコード
#include <stdio.h>
#include <math.h>
// 度数法(°)をラジアンに変換するマクロです。
#define DEG_TO_RAD(deg) ((deg) * M_PI / 180.0)
int main(void) {
// sin, cos, tan の基本的な使い方です(30度)。
double deg = 30.0;
double rad = DEG_TO_RAD(deg); // ラジアンに変換します。
printf("sin(30°) = %.6f\n", sin(rad)); // 0.5 に近い値が出力されます。
printf("cos(30°) = %.6f\n", cos(rad)); // √3/2 ≈ 0.866025 が出力されます。
printf("tan(30°) = %.6f\n", tan(rad)); // 1/√3 ≈ 0.577350 が出力されます。
// atan2 で座標から角度を求めます(ベクトルの方向計算に便利)。
double x = 1.0, y = 1.0; // 45度方向のベクトルです。
double angle_rad = atan2(y, x);
double angle_deg = angle_rad * 180.0 / M_PI; // ラジアンを度数法に変換します。
printf("atan2(1, 1) = %.1f°\n", angle_deg); // 『45.0°』と出力されます。
// asin で逆算します。sin(30°) ≈ 0.5 なので、asin(0.5) ≈ 30° になります。
double val = 0.5;
double result_deg = asin(val) * 180.0 / M_PI;
printf("asin(0.5) = %.1f°\n", result_deg); // 『30.0°』と出力されます。
// 3-4-5 の直角三角形で斜辺と角度を求めます。
double a = 3.0, b = 4.0;
double hyp = sqrt(a * a + b * b); // 斜辺 = 5.0
double angle = atan2(b, a) * 180.0 / M_PI; // 底辺 a に対する角度
printf("斜辺 = %.1f、角度 = %.2f°\n", hyp, angle);
// 『斜辺 = 5.0、角度 = 53.13°』と出力されます。
return 0;
}
概要
C言語の三角関数はすべてラジアンを単位として使います。度数法(°)で角度を与える場合は、事前に『deg × π / 180』の式でラジアンに変換してください。逆に、ラジアンから度数法に戻す場合は『rad × 180 / π』を使います。π の値は『M_PI』マクロ(多くの環境で利用可能)を使うのが一般的です。
『atan2(y, x)』は1引数の『atan(y/x)』と異なり、x が 0 の場合でも正しく計算でき、象限(0〜360度のどの範囲か)を正しく判定します。ベクトルの角度計算には atan() ではなく atan2() を使用してください。
asin() と acos() の引数の範囲は [-1.0, 1.0] です。範囲外の値を渡すと NaN が返ります。浮動小数点演算の誤差で範囲をわずかに超えることがあるため、入力前に確認が必要な場合があります。
その他の数学関数については『sqrt() / pow() / fabs()』や『log() / exp()』を参照してください。
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